秋の勉強会
みなかみ山岳ガイド協会研修。
ガイド協会の閑散期である晩秋に登山以外の机上講習などを毎年やるのですが、今年はセッティングが遅れてもう冬が始まる頃に開催しました。
ずいぶんずれ込んでしまいましたが、雪も降らないし、季節の移り変わりが遅かったせいですね。
秋の勉強会と言いつつ、ぜんぜん秋じゃありません。
今年度の研修会は私が企画幹事だったのですが、雪が降らないせいで岩場に通っていた為に、セッティングが遅れてしまいました。すみません。
もちろんそれだけではなくて、講習の教材に使うスライドのデータ作成に時間がかかってしまったのもありますが。
講習会の前日も、日中のちょっとした晴れ間をみつけてそそくさとクライミング。
長田さんも明日の講習の講師を頼まれていて準備があるのに、岩場に付き合ってもらいました。
今夜から少し雪が降り始めるという予想の谷川岳。
すっかり地肌が露出してマダラ模様です。
翌日、お天気の良いなかで研修会開始。
結構な人数が集まったので、町の施設を借りて行いました。
ガイド協会の会員4人で分担して、それぞれが用意したプログラムを順番に開始。
私が担当したのは「ガイドの立ち居地とフットワーク」。
自然解説の際に、ガイドが立ち位置を変えたりすることによってスムーズなガイドが出来る例とか、
尾瀬の木道などで前後の迷惑を考えずに解説を始めてしまう悪い例とかを出して、どう改善すればよいか等。
スノーシューでも、写真を撮るためのビューポイントで撮影した後、そこにずっと居座って長話をしていたガイドさんが居たので注意したことがあります。(もちろん、お客さんの見ていないところで。こういう気遣いも重要です)
自分達がそこで写真を撮るぐらいだから、他のグループだって当然そこでは写真を撮りたいですよね?というのが分からないガイドさんって結構居たりします。
私のそんな硬いお話の後は、やわらかめの授業。
亘理ガイドによる、「登山のためのストレッチ」。
近年、ストレッチに関する説などが色々新しくなってきました。
よく見かけるのは、運動前は動的ストレッチが良いというものです。
中には、ストレッチは体に悪いなんていう人も居ます。
登山に関しても、ストレッチのやり方は人によって結構まちまちです。
原因のひとつとして、プロスポーツやアスリート競技などは予算を使ってストレッチの効果を研究・検証できますが、登山の為のストレッチって、そういう研究対象にならないんです。
だから、他のプロスポーツやオリンピック競技などの為に研究されたデータを、流用して登山に当てはめてるだけなので、これと言った決定的なやり方というのが分かっていません。
アスリート競技と登山では運動そのものが違いますしね。
今年、ガイド仲間の一人が知人のプロスポーツトレーナーに依頼して、登山仕様のストレッチを考えてもらいました。
まだまだ研究段階だそうですが、それでも今までの漠然としたストレッチに比べると、かなりの好評です。
読図講習(机上)。
ガイド協会には登山系ガイドの他にハイキングガイドの人も居るので、最低限の使い方を覚えてもらいます。
その後は、みなかみ町の山にまつわる話。
古くから伝わる伝説や、山の名前の由来など。
諸説有る中でも、あまり表に出てこないような地元の説とかを楽しく聞くことができました。
研修が終わる頃、谷川岳の方角から雪が風で吹き降ろされてきました。
やっとスノーシューシーズンに突入でしょうか。
2015年12月17日 みなかみカルチャーセンターにて。