利根川源流~越後沢。
8/13、14、15日。
利根川源流の沢登り。
20年くらいほぼ毎年行っているという(台風など天候中止以外)大先輩に連れられて行って来ました。
今年の異常な暑さの中、急に寒くなったタイミングと日程が重なってしまう。
暑い日でも、泳ぐのは遠慮したい利根川の源流なのに、肌寒い気温では絶対に泳ぎたくありません。
何が何でも落ちないぞ、とへツリと高巻きが続きます。
越後沢に到着。
雨が降り出して、雷が鳴り止まない。
この先に進むと、かなりの長時間エスケープが出来ない谷やゴルジュが続くので越後沢でビバークを決定。
雨がずっと降り続く中、ビバーク。
鉄砲水や、濁流になるほどの雨にはならないだろうという予測ではあるのですが、
この降り止まない雨と雷の中、退避できないエリアを進むのはちょっとリスクが大きいので仕方ないですね。
夕飯のカレー。
朝食のインスタントラーメン。
初日にだいぶ手前で停滞を余儀なくされてしまったので、利根川本谷の遡行は諦めて越後沢エスケープルートに転進。
雨で数十センチ増水しただけで、ヘツリの手間がちょっと増えます。
冬の雪不足で、利根川本流には殆ど残っていない雪渓ですが、支沢の方が雪渓は多いので、あちこちに残ってます。
第一の雪渓は、私が中を確認して向こうまで短距離で行けるのを見て、歩いて通過。
ゴルジュ帯も終わって、滝が増えてきました。
今度は長くて先が見えない上に、雪渓からの冷気で視界が取れない。
越後沢の雪渓は深いので、こういうのに潜っていって最後は雪渓がどんどん分厚くなって天井が下がってきて、四つんばいでくぐるケースもあるそうです。
高巻こうという案も出たのですが、少しガスが晴れて視界が取れた時に、中ほどに安全地帯(横に抜けられる場所)が有ったので、そこまで走って雪渓の先を確認。
歩いて抜けられる構造だったので、時間短縮の為に中を走ることに。
雪渓の通過は、楽ですがもし崩落したらと思うと、かなり緊張します。
雪渓出口。
出口に滝。
フレーク状(鱗)の小さな手がかりが、モノによっては簡単にすっぽ抜けてしまうので、慎重に上がる。
雪渓3つ目。
日が差して来て暖かくなったので、ちょっと余裕の表情。
雪渓の近くは気温が凄く下がるので、太陽が曇っている間はかなり冷えました。
雪渓の長さや厚さ、足元の歩き易さ等、事前に確認できる構造だったので、なんなく通過。
4つ目の雪渓。
谷が細く曲がりくねっている為、先が確認できず。
しかも、雪渓からの底冷えが半端無い。
リーダー「これはくぐっちゃ駄目」
ということで脇から雪渓の上に。
上に登って見て、ずっと先まで続いている。
これは下をくぐっていたら大惨事ですね。
谷を曲がって、その先の視界が開けても、まだ続く雪渓。
途中に滝があり、雪渓が途切れたと思いきや、滝の水流で途切れていただけで、滝を高巻いてまたすぐに雪渓に戻ることに。
まだまだ続くので一休み。
大滝が見えてきて、やっと雪渓終わり。
雪渓が深すぎて滝の底が見えずに、視界が取れない奥深くで滝が二段になっている為、滝を登るのは断念。
帰宅後、地形図で記憶を頼りに確認してみましたが、600m以上雪渓が続いていました。
雪渓に空いていたクラック。底が見えません。
この厚さでは、雪渓絶対崩れませんね。
もし崩れても、十数メートルの厚さの硬い物が、1mかそこら下にすとんと落ちるだけ。
沢沿いに行くのを断念して、尾根にエスケープ。
ここだけ、下にぽっかり穴が空いていて落ちたら大惨事確実ですが、登ることが可能な弱点=水が流れて沢状になっている場所なので、いたしかた有りません。
安全地帯?まで登ってみたら、古い残置のスリングが有ったので、みんな考えることは一緒なんですね。
ここで、沢登りとはお別れして、藪コギです。
途中、写真撮る余裕もつもりも一切無い、深い藪コギが続き、ようやく人の顔より低い藪へ到着。
この笑顔。*まだまだ身長より高い藪が何度も訪れます。
少しスリムになった私?
岩稜帯が混じってきて、だいぶ登るのが楽になりました。
もう、写真を撮る余裕も出てきたかな、と思って「はい、顔上げて笑って~」と言ったら、「それどころじゃ無いんです~!」と返ってきました。
遥か下に、最後に歩いた雪渓が見えます。
標高差800mの藪コギ。
しかも、周囲の尾根に比べてもかなり短い尾根を登ったので、同じ標高に上がるのにかなりの急傾斜を登ることになりました。
雨もポツポツ降ったり止んだりを繰り返す中、やっと山頂近くの森林限界へ。
本谷山の山頂を目指します。
周囲が暗くなる寸前に、急いで最高点まで走って登って、周囲の地形をギリギリ確認。
登山道が有ると聞いてたけど、笹に埋もれてまったく確認出来ず。
山頂の道標も見るからず、最高点と思しき場所に僅かな空間が。
登山道整備の刈り払いが全然してない!
数分後にはヘッドライトが必要な暗さになってしまったので、ヘッドライトの灯りを頼りに、本来登山道の筈であろう地形を笹薮を掻き分けて移動。
風の音がビュービュー聞こえる中、体温を奪われながら目的のビバーク地へ。
テント設営、夕食準備等、余裕も無く撮影無し。
翌朝。
気持ちの良い目覚めでした。
登山道(見えない)に沿って下山。
2018年8月13~15日 奥利根源流から越後沢。