尾瀬縦走。
大清水-尾瀬沼-燧ケ岳-見晴-至仏山-鳩待峠。
最近、泊まりの山仕事は他の山域が多くなり、尾瀬は日帰りばかりでしたが、久しぶりに尾瀬での泊まりのガイドに行って来ました。
戸倉の交差点でバスツアーのバス待ち中。
尾瀬国立公園の10周年記念式典が開催されていたので、バスが来る前のほんの10分ほどですが見学してきました。
地元産のアイスととうもろこしを無料で配ってたので貰ってきました。
尾瀬沼東岸にて長蔵小屋に宿泊。
尾瀬沼のほとりに咲く、オゼヌマアザミ。
雨が降りそうだったので、お客さんにちょっと急いでもらってコースタイムどおりに歩いて宿に到着。
到着後、10分くらいしたら雨が音を立てて降ってきました。
ギリギリセーフ。
夜間から早朝まで土砂降りが続き、「これ出発できるんですか?」と不安そうな皆さん。
尾瀬沼は携帯電波が全く入らないので、最新のお天気情報は手に入りませんが、前日午後までの予報ではこの後に小降りになって、止んでくる予報なのを説明して出発。
出発する頃には小降りになり、その後にカッパを脱げるレベルになりました。
雨に濡れたオヤマリンドウ。
最初の峰、ミノブチ岳に到着して休憩中に、突然雲が晴れて尾瀬沼が一望。
この後、再スタートした後はまた雲に覆われてしまったので、偶然のタイミングでした。
次の山頂、俎嵓への登りが始まった岩場にヒキガエル。
森林性の蛙なので、池などない樹林帯には多いのですが、コルの部分の木々の間を抜けた岩場で見かけると、なんともミスマッチで珍しいですね。
けして可愛い蛙ではないと思うのですが、天気が悪くて他に景色など見れない中での来訪者だったので、お客さん達が「かわいいかわいい」と言って写真を撮ってました。
俎嵓への登り。
黄色いザックカバーのお母さんが覗きこんでいるのが、さっきの蛙が居たところ。
俎嵓山頂で撮影タイムを取っていたら、お隣の最高峰柴安嵓と、そこまでの登山道が見えてきました。
今日は、お天気が悪い中でもそこそこ運が良いです。
柴安嵓に到着。周囲にコケモモが沢山実ってました。
今年は、どこの山でもコケモモの実が豊作な気がします。
俎嵓は岩がゴツゴツしてて、あまりお花を見かけませんが、こちらは結構土が多くて何かしら咲いています。
見晴新道(リメイク版、泥だらけ)を下る最中の尾瀬ヶ原の景色。
段々と雲が晴れてきて、これが見れて良かったです。
どろどろの急坂を景色も無しでひたすら下るのはきついですしね。
見晴に到着。
宿泊は第二長蔵小屋ですが、喫茶室が無いので(セルフのコーヒーコーナーは有ります)原の小屋の喫茶店へ。
蜂蜜ホットミルク。
この後は、お客さんが桧枝岐小屋の喫茶室でお酒を飲んでいたので、ご馳走してもらって一緒に飲んで宿へ戻る。
尾瀬ヶ原の夕焼け。
翌朝出発。
見晴は多少電波が入るので、今日が晴天になることが事前に分かっていたので浮き浮き気分で出発です。
尾瀬に入山する前は、あまり良くない予報でしたからね。
日差しは強いですが、乾いた冷たい風が吹くので汗もかかないで登れました。
冬のスノーシューで見る景色とはだいぶ違いますね。
高天原のお花畑で「もうお花は散ってますけど、この辺はホソバヒナウスユキソウの群生地で、これがその葉っぱ・・・」と説明をして指差したら、一輪だけ咲いていました。
こんな時期に咲くはずは無いので、非常にラッキーです。
ジョウシュウオニアザミ。
上州、越後の山域と、そこに接する福島・長野の一部でのみ咲く花です。
植生の基準の産地となっているのが、この至仏山。
タカネトウチクソウ。
ヒメシャジン。
と言っても、ガク片や雌しべを近くでしっかり見ないとミヤマシャジンとの区別はつきません。
ただ、至仏山で咲いている多くはヒメシャジンだと教わったことがあるので、そう説明してます。
それと、植物学的には両者を区別する必要は殆ど無いという人も居ますしね。
ホソバコゴメグサ。
谷川岳と至仏に多く咲き、固有種と言うわけではないですが、他には極限られた地域でしか咲きません。
蛇紋岩の陰にホソバツメクサ。
タカネナデシコ。
キンロバイ。
至仏と小至仏の間に一箇所群生してます。
登山道からちょっと離れてるので、望遠レンズでも持ってないと、何の花か特定しづらかったりします。
近くに同じ花が生えてないので、見比べて検討できないのですね。
クロトウヒレン。
と一般的に言われてますが、シラネアザミも混ざっているらしい。
というか、両者の中間みたいのが結構咲いてるみたいですね。
オヤマザワ田代のキンコウカ。
下山後のシメに鳩待山荘の味噌ラーメン。
美味しいです。
2017/8/29~9/1日。
尾瀬、燧ケ岳至仏縦走。