藤原地区上野原。
2020/2/23。
なかなかの吹雪の日ですが、小学校3年生と5歳の女の子が居る家族連れのスノーシューです。
お子さんがアウトドアが好きみたいで、実用優先で結構ボロボロの私の車に乗ったら「カッコいい!」と大喜び。
吹雪でちょっと心配そうなお母さんに、「任せてください!。
ネパール製の分厚いウールのレンタル帽子(耳と頬がしっかり隠れるのが凍傷防止のポイント)。
小さな子供にフィットするXSサイズのスパッツ(子供は転げまわるので絶対に靴に雪が入る)。
ガイドザックの中には、子供用の予備手袋多数(雪遊びで手袋が濡れても交換できるように)。
もう万全の体制でスタートです。
普段なら車で通りすぎる車道の脇ですが...除雪が間に合わないようで車が入れないのでここから歩きが始まってます。
まっすぐ続く長い登りの車道は子供の心を挫いてしまいそうなので、さっそく横の森に入ります。
私が急斜面を上がって見せると、すかさず着いて上がってくるお兄ちゃん。
早くて写真が間に合いませんでした。
妹さんとお母さんには「すぐ横に楽に上がれる箇所があるから、こっちから来ていいですよ」とアドバイスすると...
負けずに同じ斜面を上がってくる妹さん。5歳にして凄い身体能力です。
だらだらと単調な車道を歩くよりも、こういうメリハリのあるルートの方が子供のテンションも上がります。
ミズナラとヤマグリの薪炭林の中。
冒険好きでどんどん先へと進みたがるお兄ちゃん。
クマ棚(秋に熊が食事をした跡)発見!
風に吹かれて枝がひとつ落ちてました。
熊が折った枝の大きさにびっくり。
枝をボキボキと折る熊さんですが...
どんぐりの帽子はちゃんと残してます。意外と繊細ですね。
熊棚の枝を見つけた時は、こうやってドングリの帽子をお客さんに見せるのですが...今冬はとにかくドングリの帽子の数が少ない。
帽子が落ちてしまっているわけではなくて、帽子が付いていた痕もありません。
昨年秋のドングリの不作っぷりが想像できます。
カエデの種子。
プロペラみたいに飛ばしてみました。
高原地帯なのでシラカバもあります。
親子4人とシラカバ4本で記念撮影。
休憩タイム。
中に入った途端「あったか~い」と子供たちの声が出ました。
今日は風が吹いてて寒いですが、気温自体はそこまで低くないので防風さえ出来れば暖かいのです。
我が家特性のサーターアンダーギーを食べてもらいました。
半日午前コースなのに、ほぼランチに相当するくらいの量を食べてもらって午後の部スタート。
甘いものを食べると子供は元気になりますね!
ミズキの木に熊の爪痕。
好奇心が旺盛で、硬い樹皮の隙間から赤っぽい色が見えていることに気づいて観察しています。
自然解説ガイドの素質がありますね。
ちょっと吹雪が弱まってきましたが、一時的なものです。
コゲラ(小型のキツツキ)を発見。私ではなく、お兄ちゃんが発見しました。
ハンノキに巻き付くツル植物の話をしていたら...「上で何か動いてる」とお兄ちゃんが言い出して...
私もお母さんも「今、ツルに触ったから揺れたんでしょ~」と言いながら上を見ると...2mくらいしか離れて無い真上にコゲラが居て木をつっついてました。
私は高校生くらいの頃にコゲラという鳥を認識するようになって、カメラ持って追いかけたこともあるのですが...こんなに近くでずっと木をつついて居るのを見続けたのは初めてです。
ウサギが木の皮を食べた跡。
でもヤマウルシです。
森から雪原へ出てきました。
午前半日コースですが、午後の時間も使って大きく周回です。
ここでもちょっと大きめの段差。
なれないスノーシューで積雪斜面の段差を登るのは結構大変なんですが...「押さないで~手伝わないで~」と言って自力で上がってきた妹ちゃん。
将来有望ですね!
突然の地吹雪!
そして連続転び!
お母さんは、雪がフカフカで気持ちいいと言ってわざと寝転んでましたが。
森に入ってエゾアジサイのドライフラワー。
子供たちには伝わり難いですが、カラマツの木に絡みつくヤマブトウとツタウルシ。
ヤマブドウは巻きひげで大木の枝に絡みついて上に登っていくタイプのツルなんですが...カラマツの木は背が高く、なおかつ下枝が殆ど無いのでヤマブドウは本来はひっつけません。
ツタウルシは気根という根でへばりつくので、何も無いカラマツの幹に張り付いて上に登っていくことができます。
すると...そのツタウルシの枝に絡みついて上を目指して成長していくヤマブドウ達。
同じ組み合わせのペアがあちこちにありました。
この辺は通常のツアーなら通り過ぎてしまうところなのですが、家族連れということでゆっくり歩いたからこそ、こういう面白いネタに気づくことができました。
10数年以上スノーシューガイドをしてますが、毎年毎年新しい発見と勉強の連続です。
子供たちが雪合戦をやり始めた間に、こうして大人が興味を持てるネタ話が出来るのは、自然豊かな森の水上町ならではだと思います。
ゴール手前で、クリオネマークを付けて遊びました。
天気の悪い日のファミリーツアーなのでどこまで楽しんでもらえるか心配でしたが、子供たちにもご両親にもかなり喜んでいただけました。
2020年2月23日。