浅間山(前掛山)~天狗温泉ルート。
火山規制レベルが下がっていて、登山チャンスの浅間山。
リピーターさんから「明後日ガイドできますか?」と急遽予約が入ったので、行ってきました。
普段の浅間山に行った時には写らないような写真。
そう、今日はマイナーですが最も楽なコース、天狗温泉浅間山荘からのルートです。
コースタイムも車坂よりも短いし、コースタイムの数値以上に道の歩きやすさ・無駄な登り返しの無さで、かなり楽なコースです。
今回、体力に自信が無くて、とにかく楽なルートでというお客さんだったので、このコースをお勧めしました。
登山口に到着した時には真っ暗。
準備してる間に、ヘッドライトが無くても歩ける明るさになるタイミングでした。
それでも、谷筋の道なので直射日光は中々当たりません。
外輪山にやっと日が当たり始めました。
途中に有る、カモシカ平。
今日のお客さんは「カモシカが見たい」と連呼してましたが…残念ながら会えませんでした。
私たちより1時間ほど遅くスタートした人は「カモシカ平で見ました」と言ってたので、ニアミスでした。
私とは別に、単独で外輪山に登っていた別のリピーターさんは「外輪山で見ましたよ」と言ってました。
あちこちに出没してたのに、惜しかったです。
浅間山はカモシカを見かけることが多いのですが…何故そうなのかは帰り道に火山館の管理人さんが教えてくれました。
鉄分が豊富で赤い沢。
ずっとこの沢の上を歩いてきましたが、硫黄がまぶされて来るころになると、あともう少しで沢とは別れます。
霜柱凄いことになってる辺りで沢を渡ります。
今までは森の中でしたが、この辺りでは後ろを振り返ると八ヶ岳!
雲海の中から浮かんでます。
火山館で休憩。
道が楽な上に、おトイレが使えるというのが有難いですね!
出発して、カルデラの底から少し上がると…樹木がいきなり小さくなって眺望が見えるようになります。
日本離れした雄大な景色です。
更に登っていくと、外輪山の切れ間から四阿山が顔を表しました。
外輪山のJバンドも見えてます。
北アルプス!
立山連峰と後ろ立山連峰で。
真ん中に爺ヶ岳と、その後ろから突き出る剱岳。
爺ヶ岳の左には大きな山は無い筈なのに、白い雪を被った山が広がってます。
別山から雄山までの立山連峰ですね。
爺ヶ岳の右側の一番高く見えるのが鹿島槍、その右は五竜。
ついに第二外輪山に到着。
こっちのことを内輪山という人と、第二外輪山(第一は黒斑の有る外側)と言う人と居ますが、まあどっちで呼んでも大きな間違いは無いんだろうなと。
現状で登れる最高点の前掛山に向かう人々の列。
先週くらいに一度真っ白になっている浅間山。
「今はもう雪が溶けて歩くところには残ってない」という情報でしたが、確かに大丈夫でした。
念のために自分とお客さん用のアイゼンやチェーンスパイクも用意はしていたんですが、天候も良かったので必要有りませんでした。
人が多い日でしたが、ふっと登山客の列が途切れることがあるので、すかさず撮影。
白馬三山。
テンション上がります。
この時期、例えお天気が良くても山頂は寒くてゆっくり出来ないことも多いのですが…風は殆ど吹かずに余裕な日でした。
まさに登山日和です!
ぼやけて見えづらいですが、富士山!
私のコンパクトデジカメだとこれが限度でした。
北アルプスも槍穂高まで見えてたのに、私のカメラではネットに掲載するレベルでは写せませんでした。
山頂にて撮影。
右奥に見えてるのが浅間本峰。
しかし、実質そこに登ることは無理なので、この前掛山の道標に浅間山と書かれています。
いつか登れる日は来ないであろう、山頂と火口を眺めます。
いや、ほんとに今日は山頂でゆっくりしました。
雲海が押し寄せる外輪山をバックに撮影。
あちこちで撮影会してました。
下山は早いです。
下から見る浅間。
ガトーショコラの縦筋も見えますね。
帰りは火山館の中を見学させてもらいました。
「カモシカの角、外れるから外してみて」と管理人さんに言われたので、やってみたらスポっと外れました。
浅間のカモシカ達の写真が有って、識別用に名前が付いてたのですが…ここで思ったのが「数が多い!」
そしてお客さんが気づいたのは、「みんなふっくらしてて可愛い!!」
この二つの疑問に管理人さんが答えてくれました。
浅間はカモシカにとって食べ物が豊かで、普通の山域よりも面積当たりの頭数が多いんだそうです。
「一頭が必要とする森の面積が北アルプスの1/10で暮らしていける」そうです。
数が多い・ふっくらしてるのは栄誉状態が良いから。
「へ~!へ~!へ~!」と思わずボタンを押したくなるほど、良い情報を聞かせていただきました。
帰りがてら、何故そんなにカモシカが暮らしていきやすいのかを、私なりに考察してお客さんと話しながら歩きました。
浅間(あさま)神社の鳥居。
周囲に有るカラマツの幹でそのまま作った感じです。
鳥居の間からはトーミの頭。
「あれの登り返しをしなくて良くて大助かりです!」とお客さんが感動してました。
帰り道も、時々雲海に巻かれた以外は最後まで良いお天気でした。
歩くのに自信が無いというお客さんでいつもコースタイムより遅くなるのに、今日はコースタイムよりも早くゴールできました。
あんなにあちこちで写真撮影してたのに!
このコースの歩きやすさを物語ってますね。
と言うわけで、最後は天狗温泉に入って手打ちそばをいただきました。
900円でこの大盛り!ソバ湯も付いてる!
いやこれ、山に登らなくてもこのお蕎麦だけ食べに来てもいいんじゃないかな、って思いました。
味も美味しかったです。
ちなみに、天狗温泉に入る為に用意したのは赤いタオル。
何故かと言うと、鉄分で真っ赤な温泉なので、白いタオルが赤茶けてしまうからでした。
2021年11月20。晴天。
浅間山(前掛山)、火山館ルート