谷川岳天神尾根。
2019/04/06。
週間天気予報では、かなりお天気が悪そうだった週末がやってきました。
参加申し込みをしていたのがリピーターさんだったので事前にいろいろ相談して、谷川岳が駄目そうだったら玉原でスノーシューに切り替えましょうと言うことにしてました。
が、前日になって更新された天気図を見たら大丈夫そうな状況になったので谷川岳に決定。
当日の朝。狙い通りの良いお天気です。
と言っても、集合時間を遅らせて遅い時間にスタートするという作戦でした。
本来の集合時間の谷川岳。
西よりの強風の為に山頂から東側へ向かって雲がリーゼントの様に伸びてます。
朝一番で登って降りてくる人に聞いたら、口々に風が凄かったと言ってました。
私たちが登山を始めるころには、雲がだいぶ散り散りになって隙間ができてます。
リピーターのご夫妻。
前日には谷川岳すっかりは諦めて、スノーシューツアーに変更だと思っていたそうですが...
私からの、谷川岳がokの連絡を受けて「てん〇らがCだけど、松田さんが大丈夫って言ってるから」と納得して天神平ロープウェーに来てくれました。
さすがリピーターさんです!
初めてのお客さんだったら、こんな予報を見たら登るのは無理だと思ってしまうところですが、ガイドの言葉を信じて来ていただけました。
とにかく、日射が良いのがポイントですね。
夜間に冷え込んで硬くなっていたであろう雪面もアイゼンの刺さりが良くなってますし、
風が止むと汗ばむほどの陽気で、むしろ風に吹いて欲しいと思えるほどです。
山の気象予報の評価って、風速を相当重視してると思うのですが...同じ風速でも日射の有る無しとか、風向きと登山道の関係でガラリと変わります。
もし今日が曇りで、なおかつ風向きが逆方向からだったら素直に低山でのスノーシューに切り替えていたと思います。
しかし、南側から日射をもろに受けて登るので体温の低下も防ぐことができ、なおかつ風は山脈の反対側から吹いているので山頂近くに行くまでは強風に直接当たることがありません。
こういった条件を加味して考えれば、じゅうぶん登山日和と言えます。
転倒や滑落するほどの強風でもない限りは、その他の諸条件が良ければ普通に登れてしまうのです。
朝方の強風で出来た山脈沿いの雲も、徐々に霧散していってます。
熊穴沢の避難小屋を過ぎて、ここから森林限界の登りが始まります。
この辺りは、まだ序の口。
風が強くなるかと思ってアウターを着込んだお客さんは暑い暑いとなってしまいます。
強風予報が出ているとは思えない、微風の中の登山。
時折、強めの風が吹いてきますが...その風が無いと汗ばむくらいです。
この辺りから徐々に風が強くなってきます。
残雪期の山の風物詩「強風でふもとから吹き上げられて来た毛虫」。
今日は西北西の風なので、飛ばされてきてる数が少ないでした。
先に春が訪れている南方向から吹き上げが来ると、毛虫やテントウムシ、その他羽虫達がたくさん落ちてます。
天狗の留場を通り過ぎてからは、稜線を乗り越えてきた風が強く当たってきます。
虫がいっぱい落ちてたのも、この辺りから。
天神ザンゲ岩。
あまり早く山頂に到着すると、まだ風が強い可能性があるので、細かく休憩を入れて時間調整。
天狗の留場からここに来るまでに、二度ほど強風に耐えるために立ち止まることもありました。
時間調整して、風が弱くなっていくのを待ちます。
今回初参加のMさん。
4日の谷川岳のレポートを見て、前日に予約で参加してくれました。
天神尾根から稜線に上がりました。
時間調整が効いたのか、それまでよりも風が弱くなってます。
トマノミミで記念撮影。
風が弱まらなければトマで折り返しも考えましたが、状況もすっかり好転したので・・・
お隣、オキノミミを目指します。
オキノミミへと向かう斜面。
夜間の強風によるエビの尻尾が大量に付着しています。
そう、ここから先は今までとはワンランク上の山岳地帯になります。
でも、こちら側から見たトマノミミは絶景です。
後方に主脈稜線も、こっちから見るとよく分かりますね。
オキノミミ到着。
無風というわけにはいきませんが、「ちょっと寒いね」程度の微風になったので、ここでお昼ごはん。
すっかり良いお天気になりました。
休憩しながら参加者の皆さんと話題になりましたが、今日は『山の気象予報サイトがC付けてるけど実は登山日和』という典型例です。
(スタートを遅らせるという条件付きではありますが)。
「てん〇らがC付けてたので登山中止にしたのに、行った人のレポートやブログ見たら実は大丈夫で残念な思いをした...みたいな典型の日ですね」と私が言ったら、
Mさんが「僕が良く、そんな感じになります」と苦笑いしてました。
コーヒー飲んだり、カップラーメン食べたりする余裕もあるくらいの良いお天気になりました。
私が持ってきてるカップ麺は、食べても食べなくてもどちらでも良い、小さいやつです。
時間が無かったり、気象条件が悪かったりする時は仕舞ったままでサンドイッチ等だけを食べて終わらせます。
「このカップラーメン以外にお昼ご飯がありません、しかもお湯を一から沸かします」というのはやめましょう。
山では、そんな時間も気象条件的な余裕も無い日だって、たくさん有ります。
最近のテルモスは保温能力が格段に向上してますので、前の晩に入れたお湯でも十分にカップ麺が食べられます。
後方に茂倉岳と一ノ倉岳を眺めながら、折り返し。
尾瀬の至仏山と、燧ケ岳。
稜線から、南側の斜面に入ると「熱い...暑い!」となるほどです。
風、もっと吹いて~~。
雪を掘らないと入れない、避難小屋。
屋根がやっと見えてます。
今年は、雪不足だと思っていたら三月後半からの怒涛のラッシュで例年並みくらいになってるかも。
でも、一冬かけて密度が高くなった積雪と、にわかに降り積もった新雪では見た目が同じでも溶ける速さが違うでしょうから・・・この後はどれくらいのペースで無くなるかが問題ですね。
皆さん、お疲れ様でした!!
谷川岳。