7月下旬、至仏山。
2日目、至仏山へ。
朝、見晴から歩き出して至仏山東面から登ります。
ジョウシュウオニザミ。
この至仏山が基準標本を採取した地です。
『ジョウシュウオニアザミとはこの植物である』という世界的な基準となる標本を、この至仏山で採取したことになります。
コメツツジ。
日本と朝鮮半島南部に分布する植物と以前から知られていましたが、今年のニュースで「西日本のものと朝鮮半島のものは遺伝子的に別種」と載っていました。
もしそうだとしたら、新種発見ということになり日本固有種が一つ増えますね。
もちろん、ここは東日本なので、その新種の方のコメツツジではありませんけど。
ラン科ツレサギソウ属の仲間。
花が好きなお客さんには、よく名前を聞かれるのですが...この仲間は種類が多い上に個体ごとに変異してたりして、おまけに凄い小さいので、現場では判別しづらいので、私は細かく分類して名前を決定するのは諦めてます。とお客さんには言ってます。
家に帰ってパソコンで拡大してようやく、「これかこれのどっちかかな?」という程度です。
図鑑によって、載ってる写真での姿が違ったり、見分け方が違ったりするので埒があきません。
上の写真のは、あえて言うならキソチドリかなぁ...尻尾に見立てる距の部分が少しずつ下に曲がってます。
全く自信なし。
イワシモツケ。
蛇紋岩変形種とよく言われますが、石灰岩の地にも咲くそうです。
ネバリノギラン。
せり科の花。
セリの仲間も、現場で細かい差異を見つけて同定するのが難しい主ですが、これはハクサンボウフウで大丈夫そうです。
ミヤマトウキと凄く迷う時もあるのが困りもの。
ミネウスユキソウ。
ではこちらは何かというと...こちらもミネウスユキソウ。
図鑑だと、下の花みたいな写真で「ウスユキソウ」と載ってたりしますが...
両者を区別するのは花の数とか鮮やかさではなくて「花柄の長さ」だそうです。
シブツアサツキ。
10年程前に、「この花はシロウマアサツキの変種という分類になったので、もうシブツアサツキって言っちゃ駄目」って植物の先生に言われたのですが...
最近の分類ではシブツアサツキって認められてるっぽいですね。
両者ともエゾネギの変種には元から違いないのですが、エゾネギの変種のシロウマアサツキの一品種のシブツアサツキという扱いになったのが、今度は別個でエゾネギの変種になってるみたいです。
ということは、シブツアサツキという名前復活で良いのでしょうか。
学術の世界は複雑で私にはよくわかりません。
後ろを振り返ると、尾瀬ヶ原。
この景色を見るだけで疲れが吹き飛びますね。
タカネトウウチソウ。
上の方に載せた写真とは、また少し違うツレサギソウ属の花が出てきました。
ヤマサギソウ?タカネサギソウにも似てますが、少し条件が違いそうです。
しかし、図鑑やwebで見てもヤマサギソウの条件が書かれているものによって異なります。
困ったものです。
ハイイヌツゲの花。
ミヤマウイキョウ。
セリ科の花も、これくらい特徴が有れば簡単にわかってよいのですが。
ホソバコゴメグサ。
ツリガネニンジンもしくはハクサンシャジン。
両者とも同じ花で、分布する標高によって形が変わってるだけなので、はっきり「こっちの種類」とは言い難く、中間的な見た目のも存在します。
高山で小型化したのがハクサンシャジンなのですが...割と背丈の高いハクサンシャジンも存在するので、決め手に欠けます。
私は花がギュッと詰まったイメージの場合に、ハクサンシャジンと言うようにしてます。
極論を言えば、同じ花なので、それを踏まえていればどちらでも良いのですが。
至仏山に来たら見たい花、カトウハコベ!
蛇紋岩残存種で、本州では早池峰山、至仏山、谷川岳にしか見られない花です。
写真が多いので、続きはまた後半でアップします。
2020年7月下旬。