一ノ倉沢コース。
2021/4/3
スノーシューの平地でのハイキングコースは例年どおり4月の前半が最終で、この後は谷川岳や尾瀬などの山での残雪登山になります。
今シーズンのラストスノーシューのお客様。
秋に一ノ倉とみなかみを訪れて感動して、冬も来てくれたそうです。
ショウジョウバカマの花。まだ開きかけ。
岩場の急斜面は先に雪が無くなるので、いち早くお花が顔を出しました。
フキノトウ。
湧き水が雪を溶かす場所も先に春が訪れます。
後ろの水の流れは、川でも沢でもなくて山肌から染み出してくる雪解け水です。
マンサクの花。
ミズナラ(どんぐりの木)の木の根元に咲いてました。
大木の周りも先に雪が溶けて春が始まります。
ブナの老木と一緒に撮影。
木の根元から春が始まってるのが分かりますね。
マチガサワと湯檜曽川の合流点。
通常ならここで川を渡るのですが…今年は2回ほどしか渡りませんでした。
積雪は人の身長ほども積もってたので雪不足だったわけではないのですが、単純に渡渉する部分の水量が多くなった為です。
都会の川と違い、夏に大水が流れれば本流の位置が簡単に変化します。
マチガサワの雪渓を渡ります。
3日前に下見に来た時は問題なく渡れました。
その後は谷川岳、巻機山と違う山域に行ってたので雪解けの経過を見れなかったの為どうなってるかちょっと心配だったのですが…問題なく渡れました。
雪渓が渡れなかった時の為に長靴タイプのスパッツを持ってきたのですが、使わずに済みました。
「アスレチックなコースですよ」とお客さんに事前に説明しておいた、夏道沿い。
斜面に生えるブナの根元では、イワウチワの花のツボミが膨らんでいました。
お二人とも運動能力が高かったので、ロープを出さずに昇り降りできました。
最後の数メートルはお尻滑り。
サルのコシカケ。
冬の間は腰をかけることが出来たのですが、雪解けで肘掛けの高さになってしまってました。
ユビソヤナギの花。
大量に落ちていました。
歩いている最中にも樹上からパラパラと落ちてきたので、自然落下みたいですね。
一ノ倉沢との合流部を目指して川沿いに歩きます。
数年前には川の本流の位置が変わってこっちへ渡れなくなった時期がありました。
夏に鉄砲水が起きる度に、冬に歩ける場所が変わります。
一ノ倉沢がガスっていて見えなかったので、お昼ごはんを食べながら待っていましたが、それでも見えるようにならず。
相談の上、一本上に有る旧道を目指して移動。
途中、熊棚から落ちた枝(熊の食事跡)と熊のフンを発見。
両方とも、昨年秋のものです。
クマのフンは雪で綺麗に保存されていて、ドングリの殻の欠片も見えるほどでした。
ここで秘密兵器の長靴型スパッツを装着。
一ノ倉沢沿いに遡上するのですが、雪渓が無くなっている箇所は沢を渡らなければいけないので、ほぼ必須です。
沢沿いに登ると、だいぶ景色が見えるようになってきました。
ここまで来ると積雪が多いので余裕で歩けてますが、ここまで来る間は川を渡ってもらったり、私が歩いたラインからちょっとでもズレると雪渓を踏み抜いたりするので、写真を撮ったりしてる余裕がありませんでした。
「二人とも運動能力高いからこれやってますけど、普通のお客様だったら絶対来てませんよ」というくらいにアドベンチャーでした。
待望の一ノ倉の岩壁の前に到着。
雪崩もだいぶ落ち切ってはいますが、それでも沢の真正面は怖いので、夏道よりもだいぶ離れた位置から写真撮影。
後方を振り返ると、少し青空が。
正面を避けて、クライマーズレフト側の道路上に上がってしばし撮影や解説タイム。
その最中に、遠くの岩壁側から落石の大きな音が…
時間差を置いて数十秒後にまた落石の音とともに、
雪崩発生。
滝のようにも見えますが、水分を多く含んでるにしても大半は雪で構成されてるようです。
数十秒間、雪崩続いた跡には泥交じりの雪が岩壁に張り付いてました。
こちらは岩壁の中央部、雪解け水が滝になっています。
帰路、ヤシャブシの花芽っぽいのが大量に落ちてましたが、これは自然落下ではなくて何者かに鋭い歯で齧られてます。
モモンガやムササビ等の樹上生活げっ歯類の仕業でしょうか。
面白かったのは、全部の花芽が根元だけ齧られてポイ捨てされてました。
なんでしょう、根元の方が美味しいとか柔らかいとか理由があるんでしょうか。
この後はてくてくとR291沿いを歩きました。
マチガサワと谷川岳。
夏との違いに感動していました。
2021年4月3日:一ノ倉沢スノーシューコース。