東北スノーシュー二日目
山形県・天元台スキー場から。
蔵王温泉のお宿を後にして、西吾妻山へと出発。
泊まったお宿は、岡本太郎のゆかりの宿だそうです。
天元台スキー場に到着。ロープウェイ近くの駐車場は満車になっていて、一番下の駐車場に停めました。
ロープウェイでスキー場に上がり、リフトに乗る準備。
ロープウェイ乗車中に地元のご夫婦っぽい方達とお話してたら「蔵王の樹氷の方が有名だけど、こっちの樹氷の方が美人さんだから」。
なるほど、そういうものなのですね。
リフト三本乗り継いで、登山口を出発。
標高を上げると、ガスが発生していて視界超悪し。
最初の数百メートルで、諦めて折り返してきた人達と4組とすれ違う。
登山届けを出す時に係りの人に聞いた今日の入山者数の大半です。
中大巓(なかだいてん)のトラバースを終えて、広い平らになるところ。
夏のルートでは湿原がある箇所です。そういう場所は当然まっ平。視界が悪ければ、どっちに行ってよいか分からない場所です。
こういう場所では地形の把握とコンパスが全て。
南方向に正解ルートを進めば、やがて登りになり、それが山頂への斜面。
間違った方向に逸れれば、斜面が急に下りになっていく。
こんな視界が利かない中ではお客さんも不安になりがちなので、そんな説明をしながら休憩していると、山頂方向から戻ってきた組がじっとこちらを見ている。
話しかけ見ると、方角が分からなくて不安になってきたので戻ってきたところだという。
ここは二つの峰に挟まれて一番低くなっているコルと言われる地形。風速が強く、今まではハッキリと残っていた足跡も、ここではかき消されてしまっている。
その二人は、うっかりすればスキー場の一つ南西側の斜面に迷い込みそうな場所に居たので、私達の足跡が消えないうちに、スキー場に戻るようにアドバイスして先へ進む。
山頂に到着。
先に山頂に居た人がこっちへやってくるので話しかけると、グランデコスキー場から来たという。
私達の足跡を辿って降りそうだったので、こっちは天元台からのルートだと説明。
方角を見失ってしまってたとのこと。
一帯を見回して、一番高そうな場所で撮影。この時期は標識が見えないので良さそうな樹氷を囲む。
グランデコから上がってきた大きなパーティと出会ったので、カメラを渡してシャッターを押してもらったので私も入ってます。
時折、上空のガスが薄くなっているのを感じるので山頂で晴れ待ちをしたいところですが、時間や寒さを考えるとそんな余裕は無いので、下山開始。
「今、雲が少し薄くなって太陽が近づいてる感じがするの分かりますか?」
「えー?全然分からない」
時々私がそう言っても、なかなかお客さんには感じ取れないので、気休めを言ってるんじゃないかと思われそうですが・・・
下山中に、ちょこまかと一瞬の晴れ間が訪れます。
ほら、気休めのでまかせじゃなかったでしょ!?
そんなチャンスにはカメラを出して撮影。
時間的余裕はたっぷり有ります。
ほんの数秒から数十秒くらいの晴れ間が。
これだけ視界が開ければテンションもアップ。
そして最後の樹氷群がある所。
まっ平らな地形なので、一番見栄えが良いところです。
ここを通り過ぎれば、もう樹氷が無いというシチュエーションですが・・・
ここで奇跡晴れ間がやってきました。
それまでの数秒ではなくて、結構な長時間。数分はあったでしょうか。
この景色が見えただけで幸せです。
帰路の方角を見ると、結構大きな別パーティ。
こんな近くにあんな大人数が居ても、風とガスの中ではまったく分かりませんでした。
話しかけてみると、九州とか四国からの人達。
そこから先は、もう樹氷では無くて、普通に雪が付いてる大シラビソ。
まあこれでも十分絶景ですけどね!
視界は無くても山頂を踏めればそれで十分、と言っていた皆さんでしたが、さらに最後に素敵な樹氷群も見れてほんとに良い笑顔でした。
下山のリフトに乗る準備をしてたら、先ほど出会ったパーティも戻ってきて、その中のお二人から話しかけられる。
「どこか他の山でお会いしてませんか?」
なんと、去年の秋にツアー会社の依頼で巻機山をご案内した団体さんの中に居たそうです。
思わず記念写真。
群馬県谷川岳のガイドが、新潟巻機山を案内した九州からのお客さんと山形の西吾妻で再会する。
山ってどこで繋がってるか分かりませんね。
素敵な再開でした。
2017年3月5日。
西吾妻山。