鹿又山からブナ平。
玉原にて。
3連休三日目のお彼岸。
谷川岳のお客さんがキャンセルになってしまって、ぽっかり予定が空いたのでブナ平へ。
以前はスキー場は登山者やスノーシュー客にリフトを使わせてくれなかったのですが、3~4年くらい前から使用OKになりました。
それまでの習慣で、鹿又山へは下から歩いていたのですが、初めてリフト使用してみました。
あっという間に標高1550mへ。
早いっ!!
今日は朝8時半に起きて、天気の様子を見ながら鹿又行きを決めたのですが、リフトのおかげで余裕の行程です。
ブナとダケカンバとアスナロの森の稜線。
山頂まで20分も無いような短いルートですが、山頂近辺は雪庇が大きく張り出しています。
今年は、ここで落ちてヘリを呼ぶ騒ぎが有ったらしいですね。
夜間から朝方にかけて風雪が強かった様子が伺えます。
木には雪が霧氷のように貼り付き、雪面には風紋。
こんな場所だから雪庇が出来るわけです。
たかだか標高1636の山だと思ってなめてはいけません。
この稜線の北側からは利根川源流を吹いてきた日本海からの風が直撃するのですから・・・。
山頂。
セルフタイマーで走って自撮りしたので、なかなかうまくいきません。
獅子ヶ鼻から剣ヶ峰山、そして武尊山と見えています。
今日ここを選んだ理由は、午前中に上州武尊が晴れる予報で、恐らく写真がちゃんと撮れるだろうと思ったからでした。
谷川岳や西側の山はこの時点でまだ曇っていました。
しかも北からビュービュー風が吹きつけて寒いし!
写真撮り終わったら下山開始。
風が強いところで気をつけないといけないのはコレ。
それまで、概ね10cm程度しか沈まなかったフィールドですが、吹き溜まりではこの深さ。
ツリーホールなど穴があったわけではなくて、ただただ、雪が深い。
いきなり新雪ゼロのカチカチの氷みたいな雪を踏んで転びそうになることもあれば、こんなところで足をとられたりもします。
下りは気をつけないと特に危ないですね。
ブナの木に熊棚。
ブナばかりのこの玉原でも、熊棚が有るブナはそんなにありませんが、それでも歩き回っているとこうして見つけることができます。
ブナには熊棚があまり出来ないので「熊はブナでは熊棚を作らない」って思い込んでる若いガイドさんも水上には居るくらいです。
玉原で歩いてれば、いくらでも目にすることが出来るのですけどね。
ブナ平の端っこの辺りに到着。ほっと一息、休憩中。
大きな穴が空いたまま成長したブナの木。
ぶなの幹に凍裂と、ツキノワグマの爪あと
ブナの森の中に、急に沢沿いや水気の多いところに生える小さめの木々が混ざりだす。
銅金沢の頭の辺りです。
もうちょっと行くと、ブナ平の登山道分岐点やブナ地蔵があるところ(この時期は何も分かりませんけど)。
急に上からポタポタと水が。
雨?なわけはないですね。
夜間にブナの枝に付いた雪が日射で溶けてポタポタと。
沢山の葉をつけるブナの枝ぶりのせいで、雨の様に落ちてきます。
そろそろ根開きの時期ですね。
大木の周りに出来る雪の穴。
私は二種類で考えています。
一つは残雪期の根開き。
幹を滴る水や、木が太陽から受けた輻射熱、地面からの地熱。
こういった要因で大木の周りに穴が空き、そこから地面がいち早く顔を出して春がやってきます。
日本人は、春先に森に入ってこの現象を知っていたので昔から馴染みがありました。
もう一つは厳冬期に出来るツリーホール。
これは強風が木の幹の周りを巻いて、雪を吹き飛ばすものです。
日本では根開きの現象が昔から知られていたので、厳冬期のものもそれで説明する人が居ますが・・・。
日射が全く無い夜間や、猛吹雪の後でもツリーホールはできます。太陽の輻射熱は一切作用してません。
木の体温で溶けていると説明する人もいます。が、死んだ木やコンクリートの電信柱でもツリーホールは出来ます。
じゃあ地熱はどうか?
斜面上から落ちてきた雪の塊。これが強風が巻く地点に有ると、立派な穴が出来たりします。
地面とは一切繋がっていないので、地熱は貰いようがありません。
スノーシューで厳冬期に森に入る人が増えて、根開きとは違うツリーホールの現象が知られるようになってきましたが、まだそれほど浸透はしてないみたいです。
ブナ平分岐点を、どちらの登山道にも行かずに真っ直ぐ降りる。
ここから湿原へ向かう最短コースです。
スノーシューではこういうことが出来るのが醍醐味です。
玉原湿原に到着。
三連休最終日ですが、踏み後がまったく有りません。
玉原湿原ひとりじめ!
と思いきや、
今日ここで初めて人と会ったので、独り占めではありませんでした。
なんと以前に大幽洞窟を案内したお客さんとの再会でした!
2017年3月20日。
鹿又山、ブナ平、玉原湿原。